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青い鳥のようです
思えば生まれて初めて書いたブーン系小説だった
もらったお題は

もう……喰ったさ 腹ァいっぱいだ……
高層ビル
青い羽

でお送りします ンガグッグ

ζ(゚ー゚*ζ「ひさしぶり、お姉ちゃん」

ξ゚⊿゚)ξ「ひさしぶりね、デレ」

ζ(゚ー゚*ζ「最近ずっと来てくれなかったねぇ。
      仕事、忙しいの?」

ξ゚⊿゚)ξ「まぁね」

ζ(゚ー゚*ζ「高層ビルに囲まれたオフィス街で颯爽と働く
      お姉ちゃん! ……格好いいけど、デレは
      あんな所にいたくないなあ。息が詰っちゃう」

ξ゚⊿゚)ξ「……まぁ、確かにアンタには無理でしょうね。
     で、何なの? 用事があるとか何とか」

ζ(^ー^*ζ「えへへー。実はお姉ちゃんに見せたいものが!」

朗らかに笑った妹は「じゃーん!」と口で言いながら何かを私に差し出した。

それは。


ξ゚⊿゚)ξ「……鳥篭?」

ζ(゚、゚*ζ「鳥篭だけど鳥篭じゃなくて……ほら、鳥!」

ξ゚⊿゚)ξ「……鳥? 飼ったの?」

ζ(゚ー゚*ζ「うんうん。これはねえ、ただの鳥じゃないの。
      幸せの青い鳥なんだよー!」

ξ゚⊿゚)ξ「……メーテルリンク?」

ζ(゚、゚*ζ「むー。童話じゃなくて、本当に!」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ何で空っぽなのよ、鳥篭」

ζ(゚ー゚*ζ「それはねー、今お散歩中だからです!」

ξ゚⊿゚)ξ「お散歩中って……大体、何でその鳥が
     幸せの鳥だなんて解ったのよ」

ζ(゚ー゚*ζ「えー、自分で言ったんだもん。それに青かったし」

ξ゚⊿゚)ξ「……そう」

元々夢見がちな所があった妹だ。今更この位の事じゃあ驚かない。


ξ゚⊿゚)ξ「まぁ、幸せの青い鳥がいて良かったじゃない。
     幸せなこと続きなんでしょ? 羨ましいわ」

ζ(゚ー゚*ζ「でも、お姉ちゃんだって幸せでしょ? 青い鳥がいなくたって」

ξ゚⊿゚)ξ「幸せ……」

デレに言われて思わず我が身を振り返る。

仕事は順風満帆……とは言いがたいけれど、それなりに軌道に乗っている。
頼りないへちゃむくれだけど、優しい恋人……とも言えない人もいる。
下らない話や、真剣な話を出来る友達もいる。

そんな普通の生活をそうだと言うのなら。

ξ゚⊿゚)ξ「……まぁ、そうかもね」

ζ(^ー^*ζ「でしょう? よかったあ。幸せじゃないと困るもん」

ξ゚⊿゚)ξ「……困る?」



デレの物言いが僅かに引っかかって聞き返すと、彼女はうふふと笑って鳥篭を掲げた。
そうして白く細い指で、ゆっくりと鳥篭の扉を上げていく。
金属の軋む、きいいと甲高い音がゆっくりと静かな部屋に響いて、私は途端に不安になった。

ζ(゚ー゚*ζ「そう……困るの。ねぇお姉ちゃん。
      デレ、嘘ついてたんだ。ごめんね」

何を、何を言っているの。この子は。

ζ(゚-゚*ζ「青い鳥はね、散歩になんか行ってなかったの。
      ずーっと、この中にいたのよ」

空っぽの鳥篭の、扉が上がりきった。
中にいるとデレが言った鳥篭は、未だ空っぽなのに。

ξ;゚⊿゚)ξ「で……デレ?」

ζ(゚-゚*ζ「ねぇ、お姉ちゃん。青い鳥がね、言うの。毎日毎日。
     『君からはお腹一杯食べちゃった。だから、次の食べ物を探してよ』
      って」

ξ;゚⊿゚)ξ「な、何を……」



ああ、解ってしまった。
デレの飼う青い鳥は。




ζ(^ー^*ζ「デレはもう、この子にご飯をあげれないの。
      ねぇ、お姉ちゃん。幸せなんでしょう?」

ζ(゚∀゚*ζ「この子に、ご飯をあげて?」



幸せの鳥なんかじゃない。



幸せを 食 べ る 青い鳥なのだ。





ξ;゚⊿゚)ξ「ひ……!」

部屋の中に鳥はいない。鳥篭も空っぽのまま。
だけど、私は恐ろしくて。
鳥が――笑顔のデレが、恐ろしくて。
空気を小さく揺らす程度の小さな悲鳴を上げて、デレに背を向けた。

逃げなくちゃ。
馬鹿馬鹿しい、いつものデレの空想じゃない。
そんな考えは浮かばなかった。

ただ、逃げたかった。

ζ(^ー^*ζ「だめだよ、お姉ちゃん。逃げたってだめ。
      幸せの青い鳥はどこまでもおいかけるよ。
      だって、お姉ちゃん、幸せなんでしょう?」

ξ;゚⊿゚)ξ「ッ――!」

たかがワンルームなのに、玄関までが酷く遠い距離に感じる。
もつれる足に舌打ちしながら、それでも私は玄関を目指す。

だけど、あぁ。

ζ(゚ー゚*ζ「ほら。青い鳥はお姉ちゃんを気に入ったみたいだよ?」

くすくすと、私の背中に向けてデレが笑った途端、何かの羽ばたく音がして。

愕然とした私の目の前に、青い羽が一枚、ふわりと舞い落ちた。
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